目の下のたるみ取りで後悔しないためには?注意点を美容外科医が解説!

この記事の監修者
尾崎 峰
紀尾井町プラザクリニック 医師

杏林大学医学部形成外科・美容外科教授 日本形成外科学会認定形成外科専門医 医学博士

多くの方が悩んでいる目の下のくまやたるみ。マッサージやクリームなどのセルフケアではなかなか改善しないため、長年お悩みの方も多いのではないでしょうか。
これらの症状の治療法として人気のある目の下のたるみ取りですが、美容施術が適応であるかどうかはしっかりと見極めないと、後々トラブルになる場合もあります。
今回は目の下のたるみ取りで失敗して後悔しないように、注意点などを詳しく解説していきます。

目の下のたるみの原因

目の下にできるたるみは、多くの場合先天的なものではなく、加齢によって発生する後天的なものです。まずはたるみが引き起こされる原因について解説していきます。

脂肪の突出

目の下のたるみに関しては、加齢による肌のたるみだけでなく、目の周囲にある「眼窩脂肪」という脂肪が突出することが原因となっている場合が多いです。

眼窩脂肪は眼球の下側で眼球を支えるクッションのような役割を果たしています。その脂肪に眼球が沈み込まないよう、靭帯が下から支えています。この靭帯が何らかの理由でたるんでしまうと眼球が下がり、それによって眼窩脂肪が前方に押し出されます。また、眼窩脂肪を包んでいる眼窩隔膜自体が緩むことも脂肪が突出する原因の一つです。

この結果生じる膨らみが目の下のたるみの原因であり、その膨らみの下にできる窪みの影がくまです。

紀尾井町プラザクリニック_目の下のたるみ取り01

頬の脂肪の減少

くまやたるみの程度は、頬の膨らみ(ボリューム)も関係してきます。
頬の脂肪量が少なく、または加齢による頬部の下垂により頬部の膨らみが少なくなると、目の下と頬の境目に溝ができ、目の下の膨らみとの差が大きくなり、くまやたるみがより目立つようになってしまいます。

皮膚の弾力の低下

肌は表皮、真皮、皮下組織という3つの層に分かれ、このうち真皮層に多く含まれて肌の弾力を維持しているものが「コラーゲン」や「エラスチン」という成分です。これらは真皮層にある「線維芽細胞」という細胞の働きによって作られています。

肌は真皮層の弾力によってハリのある状態に保たれており、ハリがなくなるとしぼんだ状態になり、小じわやたるみが目立つようになります。これが目の下の皮膚で起きると、目の下のたるみとなります。また、皮膚が乾燥傾向な方もたるみが生じやすいと言われています。
また、眼窩脂肪を支えているのは主に眼輪筋ですが、肌もその役割の一部となっており、肌の弾力が失われると更に眼窩脂肪の突出を防ぐことができない状態となり、よりたるみが目立つようになってしまいます。

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現代特有の眼精疲労にも要注意!

紀尾井町プラザクリニック_目の下のたるみ取り02
眼精疲労は目の周囲の血流を悪化させてしまい、それにより眼輪筋や目の周囲のじん帯、目元の皮膚への十分な栄養補給がされなくなり、機能低下や皮膚の弾力低下を引き起こします。
近年はパソコンやスマートフォンなどの画面を長時間見続ける方が増え、眼精疲労の方が多くなっています。
定期的に目を休めたり、温めて血流を良くするなど、目の疲れを溜めないように日頃から気を付けてケアすることも大切です。

目の下のたるみ取りとして行われる美容整形外科手術は?

目の下のたるみは飛び出してきている眼窩脂肪による場合が多く、美容外科手術ではこの眼窩脂肪を減少または移動させる手術が多く行われています。その他の方法についても解説していきます。

脱脂

脱脂は、眼窩脂肪を除去して目の下の膨らみやたるみを解消する手術です。まぶたの結膜を切開して眼窩脂肪を引っ張り出し、脂肪を切除します。まぶたの結膜に傷跡ができるため、通常であれば跡が見えることはありません。

(脱脂詳細はこちら)

下まぶたたるみ取り

まつ毛の1mmほど下を、まつ毛に沿って切開します。その後、眼窩脂肪を切除し、緩んでしまった眼輪筋を吊り上げ、余った皮膚の切除をします。皮膚表面を切開するため傷跡は当初目立ちますが、数週間で目立たなくなります。

ハムラ法

ハムラ法は、眼窩脂肪を切除するのではなく、くぼんでいる部位へ脂肪を移動させることで突出を軽減し、目の下の膨らみやたるみを解消する方法です。
まつげの生え際から切開するものをハムラ法、まぶたの結膜側から切開するものを裏ハムラ法と呼ぶことがありますが、脂肪の位置を換える手術という意味ではどちらも同じものです。
膨らみと凹みを同時に解消したい場合に効果的です。

脂肪注入やヒアルロン酸注射

前述のように脂肪を切除すると、眼輪筋や皮膚の吊り上げを行っても、目の下などに凹みが残る場合があります。6ヵ月ほど経つとある程度なじんでいきますが、年齢やその方の状態によっては思ったような仕上がりにならないことがあります。
そのような場合には、脂肪注入やヒアルロン酸注射でボリュームを出すことにより、ふっくらとした自然な目元にすることができます。

(ヒアルロン酸注射詳細はこちら)

目の下のたるみ取りでよくある後悔

脂肪を取りすぎてしまった

前述の通り眼窩脂肪は眼球を支えるクッションの役割を果たしているため、脂肪を過剰に取りすぎてしまった場合、眼球が支えられなくなって下がり、目がくぼんだ「奥目」のような状態になってしまう場合があります。
脂肪を取りすぎてしまった場合は、脂肪注入やヒアルロン酸注入によってボリュームを追加することである程度修正は可能ですが、ヒアルロン酸注入の場合は定期的な治療を繰り返す必要があり、脂肪注入もどの程度定着するかが分からないため、なかなか元通りにすることは難しいです。そのため、眼窩脂肪は取り過ぎないようにすることが重要です。

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効果が現れなかった

目の下のくまやたるみだけでなく、さらにその下にある頬の皮下脂肪(メーラーファット)が下垂してしまっている方は、脱脂だけでは効果が十分に現れない場合があります。
また、色素沈着や血行不良が原因で起こる茶くまや青くまの場合も脱脂では改善は厳しいです。

しわやたるみが増えてしまった

脱脂を行うことで目の下の皮膚が一層たるんでしまい、しわやたるみが増えてしまう方がいます。特に中年以降の方に多いと言われています。

目の下のたるみ取りで失敗しないためのポイント

経験・知識の豊富な医師のもとで施術を受ける

目の下の膨らみやたるみは眼窩脂肪を減少させることで改善できますが、どの程度の脂肪を減らして、どの程度残すべきかといった分量は患者様一人ひとりによって異なります。これを適切に見極めないと、脂肪を取りすぎて戻せない状態になってしまいます。
目の下のたるみ取りで失敗して後悔しないためにも、安易に手術を受けるのではなく、しっかりと解剖学を理解して、経験・知識のある信頼できる医師のもとで施術を受けることが大切です。

ダウンタイムの過ごし方を遵守する

眼窩脂肪を取って目の下のたるみを取る手術の場合、ダウンタイムは2週間程度です。
ダウンタイム中に現れる症状としては、痛み・腫れ・内出血、血交じりの涙が出ることが挙げられます。腫れや赤み、痛みなどが目立つ期間は1週間程度です。内出血は1~2週間で目立たなくなってきます。

ダウンタイム中の過ごし方としては、以下の3点が大切なポイントです。

・頭を心臓より下にしない
・患部をしっかり冷やす
・術後の運動や飲酒を避ける

・頭を心臓より下にしない
ダウンタイム中は、頭を心臓より下にしないようにしましょう。横になって心臓と頭の位置が同じ高さになってしまうと、目周りに血液が集中してしまい、腫れや内出血が目立つようになってしまいます。
手術後3日目程度は、起きている間は座ったり立ったりして、頭と心臓の位置を意識しながら過ごすと良いでしょう。寝るときは枕を少し高めにしておくとよいでしょう。

・患部をしっかり冷やす
患部をしっかり冷やすことで炎症が治まりやすくなります。袋に水と氷を入れたものや、保冷剤をタオルで包んだものを乗せます。直接当ててしまうと凍傷になる危険性があるため、注意しましょう。

・術後の運動や飲酒を避ける
運動などで血液の流れが良くなると血管が膨張し、血管から体液が漏れてしまうため腫れや内出血が引き起こされます。
また、飲酒をするとアルコールの影響で血管が広がり、血流が良くなるため、術後は指示があるまで飲酒は避けるようにしてください。

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まとめ

紀尾井町プラザクリニックでは大学病院教授クラスの日本形成外科学会認定形成外科専門医、日本皮膚科学会認定皮膚科専門医がしっかりと診察し、カウンセリングを行っています。患者様1人ひとりのまぶたの状態に合った適切な治療方法をご提案させていただきます。
ご自身にどのような治療が適しているのか、じっくりと考えていただくことが後悔のない治療のための重要なポイントとなります。
当院のカウンセリングは無料となっており、どなたでもお気軽にご相談いただくことができます。あなたのまぶたや目の下のくまのお悩み、まずはお聞かせください。
曇りのない目元で、あなたが笑顔で輝けるようお手伝いをさせていただきます。