ヒアルロン酸注射のダウンタイムは?部位毎の症状や長引かせないポイントも紹介

この記事の監修者
尾崎 峰
紀尾井町プラザクリニック 医師

杏林大学医学部形成外科・美容外科教授 日本形成外科学会認定形成外科専門医 医学博士

ほうれい線やしわを改善したり、鼻を高くしたりと、さまざまな効果が期待できるヒアルロン酸注射。
メスを使用しないため気軽に施術を受けることができますが、施術後にはダウンタイムがあります。
施術後のダウンタイムや副作用が気になり、施術に踏み切れない、という方も多いのではないでしょうか。
この記事では、ヒアルロン酸注射のダウンタイムや、部位ごとの副作用の症状と長引かせないポイントについて解説していきます。ヒアルロン酸注射をご検討中の方は、ぜひご参考にしてください。

ヒアルロン酸注射のダウンタイム

ヒアルロン酸注射のダウンタイムは短く、基本的には施術直後から普段通りの生活を送ることができます。人によっては数日~数週間、腫れや赤みが生じることがありますが、メイクでカバーできる程度のことがほとんどです。
ヒアルロン酸は元々人間の体内に存在する成分で、高い保水力があり、細胞と細胞をつないだり衝撃を防いだりする役割を担っています。
そのため、ヒアルロン酸注射で使用する製剤は基本的に安全性が高く、重篤な副作用につながりにくいと言われています。

ヒアルロン酸注射のダウンタイム中に起こり得る症状

ヒアルロン酸注射のダウンタイム中に起こり得る、代表的な症状について解説していきます。

痛み

施術に使用するヒアルロン酸製剤の多くには、局所麻酔が含まれています。施術後数時間で麻酔が切れてくると、じんじんとした鈍い痛みを感じることがあります。
通常は2~3日で落ち着いていきますが、痛みが長引く場合や強すぎる場合は、施術を受けたクリニックへ相談しましょう。
また、注射時には針を刺す痛みを感じますが、痛みの軽減のために麻酔クリームを使用したり、クーリングをしてから施術を行うクリニックもあります。クリニックによって対応方法は異なりますので、心配な場合は施術前に確認しましょう。

ヒアルロン酸|紀尾井町プラザクリニック

赤み・腫れ

施術後2~3日の間は、赤みや腫れが生じる場合があります。しかし、症状は軽度で、ファンデーションやコンシーラーで隠すことができる程度のことがほとんどです。基本的には徐々に引いていき、長くても1週間程度で落ち着きます。
ヒアルロン酸注入後の赤みや腫れは、比較的高頻度で発生しやすい症状です。大切なイベントを控えている方は、直前の施術はなるべく避けましょう。ダウンタイムを考慮して、施術の日程を決めるのがおすすめです。

内出血

ヒアルロン酸を注入する際に注射針が毛細血管に当たってしまうと、内出血が起こる場合があります。特に目周りやほうれい線などの皮膚の薄い部分は内出血が起こりやすいです。
内出血は見た目にも分かりやすいため、施術後に心配になってしまう方もいるかもしれませんが、基本的には数日~2週間ほどで落ち着きます。
なるべく血管を傷つけないように、極細の注射針を使用しているクリニックもあります。また、止血をしっかりするなど、施術時の医師の対応も重要となってくるため、技術のある医師のいるクリニックを選ぶとよいでしょう。

むくみ

ヒアルロン酸は保水力が非常に高く、皮膚組織の中で水分を吸収するため、まれに施術後むくんで大きく見えてしまうことがあります。むくみは目元や口元など、皮膚が薄い部位に施術した際に現れやすいです。
基本的には徐々に馴染んでいきますが、完全にむくみが消えるまでは1~2週間ほどかかる場合もあります。

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部位別のヒアルロン酸注射後のダウンタイム

ヒアルロン酸は、注入する部位ごとにダウンタイムに違いがあります。ここでは、以下の6部位のダウンタイムの特徴について解説していきます。

ほうれい線

ほうれい線へヒアルロン酸を注入することで、肌を内側から持ち上げてほうれい線を浅くすることができます。
施術後1~2日程度、腫れや内出血が生じる場合もありますが、徐々に消失します。また、施術直後に注入した箇所を触ると、皮膚の下が硬くなっている場合があります。基本的には数日で馴染んでいきますので、無理に触らないようにしましょう。

おでこ

おでこにヒアルロン酸を注入することで、おでこを丸く可愛らしい印象にしたり、額のしわを改善することができます。
額にはさまざまな神経や血管があり、他の部位よりも内出血や腫れが起きやすく、ダウンタイムもやや長めになります。場合によっては施術後、額だけではなく瞼や目の下、眉間などにも腫れが広がることがあります。さらに、痛みやつっぱり感を感じる場合もあります。
これらの症状は1~2週間で改善しますが、それ以上続く場合は施術を受けたクリニックへ相談しましょう。

涙袋

涙袋にヒアルロン酸を入れることで、目を大きく立体的に見せることができます。
目元の皮膚は薄いため、腫れや内出血、むくみが出やすいです。基本的にはアイメイクでカバーできる程度です。また、施術直後は腫れもありイメージしていた仕上がりよりも涙袋が大きくなることもあります。

鼻へヒアルロン酸を注入することで、鼻を高くしたり鼻筋を通すことができます。
注入後は、数日程度腫れやむくみ、痛み、違和感などの症状が出ることがあります。腫れやむくみは目立つほどではありませんが、気になる場合はマスクをするなどして対応するのがおすすめです。

唇をボリュームアップしたい、縦じわが気になる、アヒル口やM字型にしたい、といった場合は唇にヒアルロン酸を注入することで口元の印象を変えることができます。
唇は皮膚がとても薄い部分であるため、注入時は他の部位よりも痛みを感じやすいです。痛みは通常2~3日、長くても1週間ほどで落ち着きます。腫れや内出血が起こることもありますが、気になる場合はメイクやマスクでカバーすると良いでしょう。

あご

あごへヒアルロン酸を注入することで、あごを立体的でシャープな輪郭に形成することができます。また、横から見たときに口元が盛り上がっている場合、ヒアルロン酸注射であごを前に出すことでバランスがよくなります。
注入後は腫れや内出血が起きる可能性があります。腫れは1週間ほどで落ち着きます。内出血がある間は、コンシーラーなどのメイクでカバーするか、マスクで隠すとよいでしょう。
ヒアルロン酸注入後1週間程度は、あごのマッサージなどは控え、頬杖もなるべくつかないようにしましょう。

ヒアルロン酸症例|紀尾井町プラザクリニック

治療内容 ヒアルロン酸注入(あごの輪郭を整える治療)
治療期間・回数 1回
費用 1本1cc 88 ,000円(税込価格・自由診療)
リスク・副作用 腫れ、むくみ、内出血、一時的な痛み、違和感、左右非対称等
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ダウンタイムを長引かせないためのポイント6選

ヒアルロン酸は基本的にダウンタイムが短い施術ですが、体質や施術部位によっては腫れなどの症状が出ることがあります。
ここでは、ダウンタイムを長引かせないためのポイントを6つご紹介していきます。

ヒアルロン酸|紀尾井町プラザクリニック

信頼できる医師やクリニックを選ぶ

ダウンタイムは施術を担当する医師の技術力によっても左右されます。そのため、信頼できる医師やクリニックで施術を受けましょう。
注入方法や注入量が適切でなければ、効果の持続期間や仕上がりに大きな差が生まれるだけでなく、トラブルにつながる恐れもあるため注意が必要です。

納得してヒアルロン酸注射を受けるためには、クリニックのホームページを確認することも大切です。クリニックの経営理念や院内の様子などを確認し、自分の希望に合った医師に担当をしてもらえるかどうかまでを確認しましょう。
また、ヒアルロン酸に対する考え方の違いや薬剤についての知識が医師によって様々であるため、複数のクリニックでカウンセリングを受けることをおすすめします。実績と合わせてご自身に合うクリニック・医師を選ぶことが大切です。

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アルコールは控える

アルコールには血管を拡張させて血流を促進する効果があるため、痛みや腫れ、内出血が強く出る可能性があります。また、体内の水分量が多くなることで、むくみが生じやすくなります。
そのため、ヒアルロン酸注入後は、最低でも当日~腫れや痛みが気になる間はお酒の飲みすぎに注意しましょう。

激しい運動・サウナを控える

激しい運動やサウナは、アルコールと同様に血行が良くなり腫れや内出血が起こりやすくなるため、施術後数日間は控えましょう。洗顔・シャワーは当日から可能です。

患部を冷やす

施術後に注入部位を冷やすことで、毛細血管が収縮し、内出血のリスクを減らすことができます。冷やす場合は氷や保冷剤を直接当てるのではなく、タオルで巻いたものを当てるようにしましょう。
痛みや赤み・腫れがある場合も、冷やすことで緩和することができます。

マッサージやエステを控える

マッサージやエステは、ヒアルロン酸が周囲に広がったり、腫れやすくなる可能性があるため、施術後1ヵ月程度は控えるようにしましょう。

患部に刺激を与えない

ヒアルロン酸注射後は、注入部に腫れや痛みが生じたり、違和感があったりして気になって触りたくなるかもしれません。しかし、注入した部位を不必要に触ると感染の原因になることがあります。そのため、必要以上に触るのは控えましょう。
また、施術当日からメイクをすることが可能ですが、なるべく強くこすらないように、優しく行うように心がけましょう。

ダウンタイムが長引いた際はすぐにクリニックへ相談

非常にまれですが、ヒアルロン酸注射によって以下のような重篤な副作用やアレルギー症状が起きる可能性もゼロではありません。

・血管閉塞
ヒアルロン酸を血管内に注入してしまうと、血管が塞がることで血流障害が生じ、その先へ必要な酸素や栄養が行き届かなくなってしまいます。血管閉塞が起こるのは非常にまれですが、最悪皮膚が壊死したり失明したりする可能性があります。
血管閉塞が起こらないようカニューレで注入するなど、工夫をすることで避けることができます。
万が一、起こってしまった場合はヒアルロン酸溶解注射を打つことでヒアルロン酸製剤を溶解し、血管閉塞を阻止します。

・感染
まれですが、注入したヒアルロン酸の周囲にバイオフィルムと呼ばれる菌膜が形成されることで、感染が生じることがあります。
重度の糖尿病の方、何らかの病気などで免疫力が低下している方などへヒアルロン酸を大量に注入した場合に発症しやすいと言われています。
もしも感染症が生じてしまった場合は、ヒアルロン酸溶解注射でヒアルロン酸製剤を溶かし、抗生物質を投与します。

・アレルギー症状
ヒアルロン酸自体はもともと体内に存在する成分ですが、まれにヒアルロン酸注射に含まれる添加物や、質の低い製剤に含まれる不純物でアレルギー反応が起こる場合があります。
アレルギーの症状は大きく分けて「即時型のアレルギー症状」と「遅延型のアレルギー症状」の2つがあり、即時型はヒアルロン酸注入後、数分から数時間で蕁麻疹やかゆみ、発疹、血管浮腫などが現れます。血圧低下を併発する場合もあるため、アレルギー症状が見られたら速やかに医師に報告し治療する必要があります。
遅延型のアレルギー症状は、数日~数ヵ月後に痛みや熱感、腫れや赤みなどが現れます。
急に強い痛みや腫れ・赤みが生じたり、1ヵ月以上経過しても副作用の症状が治まらない場合は、早めにクリニックへ相談しましょう。

ヒアルロン酸|紀尾井町プラザクリニック

ヒアルロン酸注射でよくある質問

施術時間はどれくらい?

注入する部位にもよりますが、大体10~20分程度です。

治療中に痛みはある?

ヒアルロン酸を注入する際は、局所麻酔を行うクリニックが多いです。紀尾井町プラザクリニックでは、塗るタイプの麻酔クリームを使用しています。針を刺す際にチクッとした感覚はありますが、我慢できない程ではありません。不安が強い方や痛みに弱い方はクーリングを行うことも可能ですので、カウンセリングの際にご相談ください。

持続効果はどれくらい?

ヒアルロン酸の持続期間は使用するヒアルロン酸の種類・注入回数によっても異なりますが、一般的には注入後2週間で安定し6〜12ヵ月程度の期間、効果が持続します。
持続期間には個人差があるため、担当する医師に事前に確認しましょう。

まとめ

年齢を重ねることによりできる表情の小じわやたるみ。メスを使うことなく注入するだけで思い描いたエイジングケア効果を発揮する魅力的なヒアルロン酸注射。
基本的にダウンタイムは短いですが、施術を受ける方の体質や医師の技術力などによって大きなトラブルが起きてしまう可能性もあります。そのため、施術を受ける際は信頼できる医師・クリニックを選びましょう。

紀尾井町プラザクリニックでは大学病院教授クラスの日本形成外科学会認定形成外科専門医、日本皮膚科学会認定皮膚科専門医が、ヒアルロン酸注射の無料カウンセリングを行っております。皆様のお悩みを少しでも改善できるよう、気持ちに寄り添うカウンセリングを心掛けています。美容クリニックが初めてという方も歓迎しています。
今後施術をご検討されている方は、本記事を参考にご自身に最適なヒアルロン酸注射を受けるようにしてください。

ヒアルロン酸|紀尾井町プラザクリニック