高濃度ビタミンC点滴は危険なのか?副作用や受けてはいけない人の特徴

高濃度ビタミンC点滴は危険なのか?副作用や受けてはいけない人の特徴 

美肌や疲労回復をはじめ、エイジングケアにも効果がある人気の点滴「高濃度ビタミンC点滴」。美容と健康の面からもさまざまな効果が期待できることから、定期的に施術しているという方も多くいらっしゃいます。

しかし、人気の反面「高濃度ビタミンC点滴は危険!」などというインターネット上の書き込みを目にしたことはありませんか。これらの情報は果たして信じても良いものなのでしょうか。高濃度ビタミンC点滴は一定の疾患を持っている方は受けることができないことは事実であり、副作用もあるため、情報に惑わされ安易に危険な点滴と決めつけるのではなく、正確な情報を把握しておくことが大切です。

この記事では、高濃度ビタミンC点滴は危険なのか?受けた際の副作用や受けてはいけない人の特徴について、解説していきます。
今後高濃度ビタミンC点滴をご検討されている方は、ぜひご参考にしてください。

高濃度ビタミンC点滴とは

高濃度ビタミンC点滴は、ビタミンCを点滴で直接静脈に注入し血中のビタミンC濃度を一気に高める治療です。
通常、ビタミンCやビタミンB群などの水溶性ビタミンは、経口摂取ではどんなに大量に摂取しても血中濃度はあまり上昇せず、尿から排泄されてしまいます。点滴によって投与することで経口摂取の数十倍の量のビタミンCを血管内に行き渡らせることができます。
ビタミンCは抗酸化作用があり、コラーゲンの生成促進やメラニン生成を抑制する働きがあります。そのため、美肌・美白とともにしみやそばかすの改善効果なども期待できます。
もともとはがんの代替医療としてアメリカなどで研究されていましたが、美白や美肌効果もあることから、美容医療の分野でも行われるようになりました。

●こんな方におすすめ
・肌にハリや弾力がほしい方
・しみやくすみ、肝斑が気になる方
・疲れが溜まっている方
・免疫力を高めたい方

高濃度ビタミンC点滴25gを1回行うことで、レモン1,250個分(10gでは500個分)のビタミンCが補給できると言われており、サプリメントなどを飲むよりも高い効果を得られます。

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高濃度ビタミンC点滴の効果

美肌・美白効果

ビタミンCは紫外線などによるメラニンの生成を抑制し、メラニン色素を還元することで、しみ・肝斑の予防と改善に働きかけます。
また、過剰な皮脂の分泌を抑え、抗炎症作用で肌のトラブルを改善します。皮脂腺の働きを抑えることで毛穴の引き締め効果も期待できます。

高濃度ビタミンC点滴|紀尾井町プラザクリニック

コラーゲン産生の促進

コラーゲンは、皮膚や血管、筋肉、骨などを作るのに欠かせない成分です。
ビタミンCは線維芽細胞の働きを高める効果があり、コラーゲンの産生を促し肌のハリ・弾力を向上させます。それにより、しわやたるみの改善・予防効果もあります。

抗酸化作用・活性酸素の抑制

「身体のサビ」という言葉を近年耳にするようになりましたが、これの原因となるのが活性酸素です。活性酸素は殺菌力が高く、体内では細菌やウイルスを撃退する役割を持っていますが、この活性酸素が増えすぎてしまうと正常な細胞や遺伝子も攻撃してしまい、老化や心臓病、がんなどの生活習慣病を誘発することがあります。
ビタミンCには抗酸化作用があり、活性酸素を無毒化する作用があります。

免疫力の向上

ビタミンCは体内のウイルスや病原菌を排除する白血球の働きを強化して免疫力をアップさせます。特にリンパ球の働きを活性化するため、抗ウイルス作用のあるインターフェロンを増やすことで、免疫力を向上させ、風邪やウイルスなどによる感染症を予防します。また、治りを早くするなどの効果もあります。

疲労回復・抗ストレス効果

ビタミンCは活性酸素に対する抗酸化作用により、疲労の回復を早める効果もあります。
人間はストレスを感じると、それに対抗するために副腎で抗ストレスホルモンを作りますが、その際にビタミンCが必要となります。それにより、ビタミンCが体内で消費されると活性酸素がたまりやすくなり、血流が悪くなります。血流が悪くなると身体にさまざまな悪影響が生じます。ビタミンCを摂取することでストレスが緩和され、身体への悪影響を軽減することができます。

生活習慣病の予防

ビタミンCは動脈硬化を促進する過酸化脂質の生成を抑制し、血中コレステロール値を低下させる働きがあります。血中コレステロールが増えると動脈硬化が起きやすくなり、脳梗塞、狭心症、心筋梗塞につながる恐れがあります。

抗アレルギー作用

ビタミンCには抗ヒスタミン作用があり、それによりアレルギー症状を緩和する効果があります。

がん予防

活性酸素はがんの原因の一つと言われています。
高濃度ビタミンC点滴の抗酸化作用によりがん細胞の発生の抑制が期待できます。また、胃がんなどの原因となるニトロソアミンの生成を抑制し、抗がん作用のあるインターフェロンなどの生成を促すため、がん予防効果があるといわれています。

歯周病治療・対策

ビタミンCが不足すると、歯周病の初期症状である歯肉炎になりやすくなります。また、歯周組織が破壊されてしまう歯周病には、コラーゲンの生成を促すビタミンCが効果的です。
さらに、インプラント手術や歯周病治療後の感染予防、手術後の傷の治癒を早めるなど、さまざまなメリットがあります。
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高濃度ビタミンC点滴を受けると危険な人

さまざまな効果が期待できる高濃度ビタミンC点滴ですが、受けるにあたって注意が必要な方もいます。
ここでは、高濃度ビタミンC点滴を受けると危険な人についてご紹介していきます。

G6PD欠損症

G6PD欠損症とは、正式名称を「グルコースー6-リン酸脱水素酵素欠損症」といいます。血液中の赤血球に含まれるグルコースー6-リン酸脱水素酵素(G6PD)は、赤血球の働きを維持するうえで重要な役割を持っています。
G6PD欠損症の方は、生まれつきこのG6PDが少ないため、高濃度ビタミンC点滴を受けてしまうと血液中の赤血球が体内で破壊されてしまい、重症溶血性貧血発作を起こしてしまう可能性があります。
そのため、高濃度ビタミンC点滴をする際は、はじめに必ずG6PD欠損症でないかどうかの検査が必要となります。
G6PD欠損症は遺伝によって発症することが多く、日本人は数千人に一人程度の割合でG6PD欠損症の因子を持っているといわれています。
G6PD欠損症であっても基本的には無自覚、無症状のため、高濃度ビタミンC点滴を受ける前には必ず検査を受けましょう。

心不全

心不全は心臓から十分な血液が送り出せなくなってしまう病気で、必要な酸素や栄養が足りなくなり、坂道や階段で息切れを起こしたり、疲れやすくなります。
また、腎臓に流れる血液の量が少なくなることで尿の量が減り、足がむくんだり、体重が増加することもあります。
高濃度ビタミンC点滴はビタミンCの濃度が高いことから心臓に負担をかけてしまう可能性が高く、心不全の方は控えた方がよいでしょう。

腎不全

腎臓は、老廃物を尿として体の外に出す働きをしています。また、体の中の水分や電解質を調節したり、ホルモンを分泌して血液を作る働きがあります。腎不全とは、腎臓が十分に役割を果たせなくなった状態のことをいいます。
腎不全の方や人工透析をしている方は、高濃度ビタミンC点滴を行うことで腎機能がさらに低下してしまう可能性があります。

胸水や腹水が大量に貯留している場合

胸水や腹水が大量に貯留している場合、濃度ビタミンC点滴の水分負荷によって体内に貯留している胸水や腹水がさらに増えてしまい、症状が悪化してしまう可能性があります。

高濃度ビタミンC点滴の副作用

基本的に高濃度ビタミンC点滴は重篤な副作用はないといわれていますが、受けている最中にいくつかの副作用症状が出る可能性があります。

点滴痛

点滴治療全般に言えることですが、点滴を行う際に針を刺したことによる痛みが生じます。
また、点滴中に血管痛が強くなることがあります。その場合は点滴の速度を遅くしたり、腕を温めることで痛みが軽減できるため、医師や看護師に相談しましょう。

口渇(のどが渇く)

高濃度ビタミンC点滴には利尿作用があり、のどが渇く可能性があります。点滴中は飲み物を用意しておくなどし、こまめに水分補給を行いましょう。

吐き気や頭痛

まれに、吐き気や頭痛などの副作用症状が生じる場合があります。点滴の速度が早かったり、その方の全身状態によって起こりますが、この様な場合も点滴の速度をゆっくりにすることで軽減することができます。

低血糖

ビタミンCの化学構造はブドウ糖と似ており、体がブドウ糖と勘違いしてしまいインスリンが分泌されることで、血糖値が下がることがあります。低血糖が起こると、めまい、冷や汗、疲労感などの症状が現れます。
点滴開始後15分以内に多いといわれているため、食事を摂ってから点滴をするなど、空腹状態で点滴を受けることは避けましょう。

低カルシウム血症

ビタミンCにはカルシウムを体の外に出す働きがあるため、高濃度ビタミンC点滴によって低カルシウム血症を起こしてしまう可能性があります。
低カルシウム血症が起こると、身体の震え、しびれなどの症状が生じることがあります。
その場合は点滴にマグネシウムを追加するなどして対応します。

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見せかけの高血糖

前述のように、ビタミンCはブドウ糖と構造が似ていることから、簡易血糖測定器で計測すると血糖値が高く出ることがあります。
そのため、糖尿病などの既往があり、自身で血糖測定を行ってインスリンの注射量を調整している方は注意が必要です。
簡易血糖測定器を使用している方は、点滴後12時間は血糖測定を控えてください。

尿路結石

ビタミンCを過剰に経口摂取すると尿路結石になりやすいことが知られています。しかし、点滴療法ではこのような尿路結石は起こりにくいと言われています。
もともと尿路結石の既往がある方は、点滴中は水分補給をしっかりと行いましょう。

アレルギー

ビタミンC自体に対するアレルギーはまれですが、薬剤に含まれる防腐剤などのビタミンC以外の成分に対してアレルギー症状が起こることがあります。
高濃度ビタミンC点滴|紀尾井町プラザクリニック

高濃度ビタミンC点滴と併用がおすすめの施術

NMN点滴

NMN点滴とは、ビタミンB3に含まれる成分の一つのNMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)を投与するエイジングケア点滴です。もともとNMNは人の体内にある物質で、加齢に伴い体内から減少すると加齢がはじまり、身体機能や認知機能などの老化が進むと考えられています。
このNMNを点滴で直接体内に投与することで、若々しさを保つことができるようになります。
NMN点滴と高濃度ビタミンC点滴を併用することで、より身体の若返りを実感しやすくなります。
NMN点滴詳細はこちら

NAD⁺点滴

前述のNMNは体内に取り入れられるとNAD+に変換されます。NAD+点滴はこの代謝行程がなく、直接体内にNAD+を取り込むことができるため、海外の報告ではNAD+点滴のほうがNMN点滴より体感を得やすいというデータもあります。
このNAD+点滴も高濃度ビタミンC点滴と併用することでさらなる相乗効果が期待できます。
NAD+点滴詳細はこちら

エクソソーム点滴 など

エクソソームとは、細胞のさまざまな働きを促すメッセンジャーとしての役割を持つ物質です。このエクソソームを点滴で投与することで、加齢による細胞産生および代謝低下の改善や、細胞が活性化することによるさまざまな美容、若返り効果が期待できます。
高濃度ビタミンC点滴と併用することで、より強いエイジングケア効果を発揮するでしょう。
エクソソーム点滴詳細はこちら

まとめ

高濃度ビタミンC点滴は美肌や健康効果が高く人気のある施術ですが、注意が必要な疾患もあるため、事前にしっかりと把握しておくことが大切です。
とくにG6PD欠損症については自覚症状がないことが多いため、初めて高濃度ビタミンC点滴を受ける際は、きちんと検査をしてから点滴を受けましょう。
他の疾患がある方や不安なことがある方は、施術前に主治医に相談し、納得した上で施術を受けるようにしましょう。

紀尾井町プラザクリニックでは、高濃度ビタミンC点滴の他にNMN点滴、NAD+点滴、エクソソーム点滴など様々な点滴をご用意しています。これらを併用して行うことで、さらなる相乗効果が期待できます。
医科歯科連携クリニックの当院では、歯科治療や他の美容施術を行いながら点滴をすることが可能ですので、日々お仕事で忙しく、お時間のない方にもおすすめです。

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この記事の監修者

松岡伯

matsuokahaku

  • 日本形成外科学会認定形成外科専門医

治療内容の説明の際には、難しい医学専門用語を多用せず、なるべく分かりやすい言葉に変換しながら、患者様のお話し、お悩みをじっくり伺うよう努めております。これまでの知見や経験をフル稼働しつつ、日々進歩する施術もしっかり取り入れられるよう精進してまいります。よろしくお願いいたします。

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